手足のしびれの原因がひと目でわかる!危険な症状を早期に発見しよう

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手足同時に現れた場合

このページでは、「しびれ」が手と足に同時に出た場合に可能性のある病気の例・症状・原因・何科を受診すればよいかを紹介しています。

必ず病院で診察してもらう

手と足の両方に「しびれ」や「痛み」の症状が現れた場合は、迷わずに病院で診察を受けてください。

脳梗塞など、放置すると危険な病変が隠れている場合が多いためです。早期の治療で治るものでも、治療が遅れると病気が進行して回復が難しくなることがあります。

しびれが「手足同時」にあらわれる病気の例 

考えられる病名
受診すべき診療科
症状 原因
一過性脳虚血発作
(いっかせいのうじょけつほっさ)
【脳神経外科】
【神経内科】
突然発症して数分で消える半身のしびれ
 
発症は急激で症状は数分から30分程度続きますが、数分で消失する例が多いようです。
片側手足のしびれ、言葉が言えない理解できないなどの症状、片目の視野に異常が起こることもあります。
 
また、「ろれつが回らない」「めまい」「物が2重に見える」などの症状を併発することもあり、突然の下肢の脱力によって転倒する危険もあります。
脳内の血管に剥がれた血栓が詰まったり、血圧の急激な低下によって一時的に脳への血液の循環が悪くなることで起こります。脳への血液循環が妨げられた部分の組織機能が停止するため半身麻痺などの症状が現われますが、血栓が小さかったり血圧低下の原因が一時的なものの場合は、数分で血流が改善されて症状が無くなります。
 
★一過性脳虚血発作は脳梗塞の前触れとなる可能性があるため、一過性脳虚血発作が疑われる場合は、症状が消えても受診が必要です。症状を繰り返す場合は早期受診が必須です。
脳出血
(のうしゅっけつ)
【脳神経外科】
【神経内科】
片側手足のしびれに頭痛や嘔吐を併発
 
手足など半身の麻痺(しびれ)に頭痛・嘔吐感・意識障害(もうろうとする)を併発する場合、脳出血を疑います。
 
出血場所によって症状も違い、視野の障害や言語障害、めまいが現われることもあり、重大な症状としては半身のひどい痛みを伴う「しびれ」、高熱、呼吸異常などがあります。
視野の障害では両目とも片側半分だけが見えなくなる「半盲」が特徴です。
脳内の血管の動脈瘤破裂や外傷による出血が原因です。動脈硬化・高血圧から脳出血を起こすケースが多く(原因の約70%)、脳腫瘍や白血病が原因のこともあります。
 
★脳出血が原因の手足のしびれが疑われる場合は、症状が重症化していなくても、必ず専門医の診断が必要です。
脳腫瘍
(のうしゅよう)
【脳神経外科】
【神経内科】
早朝の頭痛を伴う手足のしびれ
 
手足のしびれや感覚の障害が改善されずに徐々に進行する場合は、脳腫瘍の疑いも否定できません。
脳腫瘍の特徴は、頭蓋内圧の亢進による頭痛や吐き気、嘔吐、視覚異常(視野がぼけるなど)を伴うことです。
 
特に早朝の強い頭痛と「手足のしびれ」は脳腫瘍の疑いが強くなります。
「言語障害」「視野狭窄(視野が一部欠ける)」などを併発する場合もあります。
脳腫瘍は脳自体から腫瘍が発生する場合と、他の部位にできた腫瘍が脳に転移する場合があります。どちらの場合も腫瘍は良性と悪性に分かれます。
 
脳を圧迫することにより、さまざまな症状を引き起こす怖い病気ですが発症率は多くないので、いたずらに怖がらず症状が疑われる場合は早急に専門医の診察を受けることが大切です。
多発性硬化症
(たはつせいこうかしょう)
【神経内科】
【内科】
【眼科】
異なる場所の神経障害が出たり消えたりする
 
手足のしびれや皮膚感覚の低下、手足に力が入らないための歩行障害、発声障害(声が出しにくい)、嚥下障害(食べ物や飲料を飲み込みにくい)、視力が低下する、ものが2重に見える、排尿しづらい等の症状が見
 

多くの場合これらの症状が順不同で現われては改善され・・を繰り返し、再発する度に徐々に症状が悪化していくのが特徴です。
脳や脊髄などの中枢神経に生じた病巣が引き起こす病気です。中枢神経の伝達機能が障害されるために、発症はあらゆる神経に及んでさまざまな症状を現
 

原因が不明なことと症状が一定でないことから診断は難しく、他の病気の可能性を消去していくことで初めて特定することができる病気です。
ギラン・バレー症候群
神経内科】
【内科】
風邪のような症状の後で左右手足のしびれを発症
 
急速に手足の筋力が低下する病気です。筋力低下が左右対称に現われることが、脳を原因とする手足のしびれとの大きな違いです。
 
手足の他、顔面の筋力低下や嚥下筋の神経障害のため「しゃべりにくい」「飲み込みにくい」という症状が出ることもあり、重症になると呼吸筋の麻痺によって呼吸障害を引き起こすこともあります。
発症の1週間から3週間前に咳や発熱、頭痛、喉の痛み、下痢などの感冒の症状があるため、細菌感染によって発動した免疫機能の異常によって引き起こされる病状と推測されています。
 
末梢神経の伝導検査では信号伝達の速度が遅くなっているのが解るため、感染の結果できた自己抗体が神経細胞の伝達を阻害しているものと考えられます。
糖尿病性ニューロパチー
【内科】
【神経内科】
手足の指先が左右対称にしびれる
 
手足の先にピリピリした「しびれ」が現われ、徐々に体の中心方向に向かって進行していきます。
 
しびれが左右対称に起こるものを「多発性ニューロパチー」と呼び、左右バラバラに発症するものを「虚血性ニューロパチー」といいます。
糖尿病の悪化による代謝障害が原因で、末梢神経が侵されるために発症します。虚血性ニューロパチーでは糖尿病による動脈硬化から、手足先の神経細胞に充分な血液が送られなくなることが原因で発症します。
 
★どちらの場合も神経細胞の壊死が起こるため、早期治療が必要です。
脊髄空洞症
(せきずいくうどうしょう)
【整形外科】
【脳神経外科】
つねっても痛さを感じない
 
手足のしびれと痛覚の異常が起こり、熱さを感じなくなります。強くつねられても触れられていることは感じますが、痛みが感じられない症状です。
 
重症化すると筋肉が萎縮して、手足に力が入らなくなります。
脊髄(せきつい)の中に空洞ができることによって、周囲の神経が圧迫されて起こります。
 
脊髄には重要な神経が多く集まっているため、圧迫された神経によって手指のみのしびれから全身症状までさまざまな病状が発症します。
頸椎後縦靭帯骨化症
(けいついこうじゅうじんたいこっかしょう)
【整形外科】
頻尿や失禁を伴う手足のしびれ
 
手足のしびれと痛みが起こり、指先を使う細かい動作ができなくなります。
 
頻尿・失禁・便秘などの症状を併発することも多く、歩行困難の症状も見られます。
カルシウムの代謝異常などが原因で、頚椎の靭帯が骨組織に変成するために起こると考えられています。靭帯はが骨化すると頚椎を動かす機能が損なわれ、さらに骨組織が肥大化することで脊髄内部の神経組織が圧迫されます。
 
歩行困難を引き起こすことから患者の歩行時の転倒も多く、転倒することによって柔軟性を失った頚椎が損傷を受けることかで、さらに病状を悪化させることがあります。
ビタミンB1欠乏症
【内科】
むくみ、倦怠感がある手足のしびれ
 
手足のむくみを伴うしびれ感や筋力低下、唇など敏感な部位での皮膚感覚の異常、動悸、倦怠感が特徴です。
 
病状が進むにつれて眼球運動や歩行が困難になり、記憶力・認識力が低下して健忘症のような症状を現わします。
「脚気(かっけ)」が代表的な症例で、重症化する患者がアルコール依存症に多いことも知られています。
 
ビタミンB1の摂取不足が主な原因と考えられていますが、アルコール依存症での発症が多いことからビタミンB1を吸収を妨げる何らかの要因があると考えられています。
甲状腺機能低下症
(こうじょうせんきのうていかしょう)
【内科】
手足のしびれと倦怠感、声がしわがれる
 
手足のしびれ、眠気、だるさ、記憶力低下などの症状があり、暑くても汗をかかなくなります。
 
「むくみ」「体温低下」「脱毛」「体重増加」「便秘」も起こりやすく、一般に声がしわがれたようになる特徴があります。
甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって起こります。
 
甲状腺ホルモンの分泌が低下する原因としては、甲状腺の損傷や甲状腺ホルモンの分泌を促す刺激ホルモンの減少が考えられます。
 
★40歳代以降の女性が発病する例が多いため「更年期障害」と混同されやすい病気です。
パニック障害
【内科】
【精神科】
【心療内科】
強い不安感を伴う手足のしびれ
 
極度の不安の前に手足のしびれが出ることもあれば、不安感の後にしびれが出ることもあります。
手足がしびれ、命に関わる病気の症状かもしれないという不安から、さらに呼吸困難(過呼吸)などの全身症状を起こします。
 
※パニック障害の症状は多様で病状が一定しないため自己判断は難しいですが、強い不安感や恐怖感を伴うしびれの場合はパニック障害の可能性も考えられます。
検査によっても目立った異常が発見されないため、原因を特定することは困難です。
心因性のものであるという説と、脳内の分泌異常などの説がありますが、抗不安約・抗うつ薬の投与が有効であることしか解っていません。
 
一旦発症すると繰り返し発症するようになるのが一般的ですが、ストレスが少ない生活習慣などを心掛けることで改善された例もあります。
脳梗塞
(のうこうそく)
【脳神経外科】
【神経内科】
手や口のしびれ、言語障害など
 
手足の麻痺(しびれや無感覚)では片手、片足、片側手足、四肢など脳梗塞が出来た部位によって、症状の現れ方が違います。
 
顔面(片側顔面・両側顔面)の神経麻痺や、言語障害、失語症、健忘症、ものが2重に見えたり食物が飲み込みにくいなどの症状が起こることもあります。
手や口に感覚障害が現れた場合を「手口感覚症候群」と呼ぶ場合もあるようです。
脳内の血管が詰まることで脳細胞に血液が送られなくなり、その部分の脳細胞が壊死することによって起こります。
 
動脈硬化や高血圧、糖尿病、脂質異常、心房細動、心臓弁膜症、心筋梗塞などが原因で血栓ができて、剥がれた血栓が脳内の血管に詰まることで脳梗塞を引き起こします。
 
また脳内の極めて細い血管が加齢や高血圧のために詰まって小さな脳梗塞になることもあります。
うつ病(鬱病)
【精神科】
【神経科】
【心療内科】
高齢者の意欲減退を伴う手足のしびれ
 
特に老年期(65歳以上)の鬱病では身体機能の低下も原因して「しびれ」「ふらつき」「腰痛」などの症状が起こりやすくなります。
 
いつも気が滅入るように感じ、「だるい」「やる気が出ない」「何をしても面白くない」「眠れない」「食欲が無い」などの症状を複合的に発症。症状が重い場合は「死にたい」とさえ考えてしまうこともあります。
高齢者では配偶者の死などの精神的なダメージがきっかけで発症することもあります。また病気がきっかけの場合も多く、うつ病の治療に合わせて原因になっている病気の治療が必要な場合もあります。
 
★認知症との区別が重要で、うつ病を認知症と思ってしまったために対処が遅れ悲しい結果を招くこともあります。精神科を受診することを嫌がる場合は、家族だけで来院して医師に相談する方法が必要な場合もあります。

上記のほかにも、膠原病、脊髄腫瘍、異常免疫グロブリン血症、多発性硬化症、頚椎症など、さまざまな病気が考えられます。

上記は、手足のしびれにかんする病気の一例です。ほかにも命に関わる危険な病気がかくれている場合があります。脳梗塞・脳出血の前兆として現われる場合もありますので、しびれの症状が続く場合は自己判断しないで、早急に病院での専門医の診断が必要です。

また、一時的なしびれの場合も症状が繰り返し現われるなら、早めに病院での診察を受けるようにしてください。専門医の診断は素人判断の余計な心配を取り除くためにも有効なので、ストレスが軽減されることでしびれの症状緩和にも良い効果が期待できます。