手足のしびれの原因がひと目でわかる!危険な症状を早期に発見しよう

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唇と手のひらに同時に現れた場合

このページでは、手と唇または口の周囲に「しびれ」が同時に出る可能性のある病気の例・症状・原因・何科を受診すればよいかを紹介しています。

唇のしびれには注意が必要

手と同時に唇や口の周囲に「しびれ」が出た場合は、早急に該当科目の専門医の診察を受ける必要があると考えてください。

しびれの場所が手足の一部分の場合、原因の多くは神経が圧迫されたことによる一時的な麻痺状態と考えられます。いっぽう、手と同時に唇にもしびれが出た場合は神経の圧迫によるものとは考えにくく、体の健康を維持するための重要な成分の不足や、場合によっては脳に何らかの障害が起こっている可能性もあります。

しびれと痛みには深い関係があります。「痛みがあってのしびれ」であり、(脳に原因がある場合などを除いて)しびれが起きる前段階では、必ず痛みがあると言っていいのです。

しびれの段階にきてしまった場合、症状がさらに進行する前に、早急に何らかの手を打たなければなりません。
 

しびれが「手と唇同時」にあらわれる病気の例

考えられる病名
受診すべき診療科
症状 原因
過換気症候群
(かかんきしょうこうぐん)
【呼吸器科】
【循環器科】
【精神科】
呼吸困難を伴う手指と口のしびれ
 
指先や口の周囲などにしびれを感じ、多くの場合は突然の呼吸困難を併発します。
 
皮膚感覚が異常に敏感になったり強度の不安から興奮状態を起こすこともあり、重度では意識混濁を起こします。
何らかの原因から通常より呼吸が深く回数も多くなり、二酸化炭素が減少、血液中の酸素濃度が急上昇したことで神経や筋肉に異常が現れます。 精神的不安や中枢神経の異常、薬剤投与がきっかけで過換気を起こすと言われています。
 
精神的ストレスを受けやすい若年層や女性に発症が多く、過換気による呼吸困難がさらに不安を強め、症状を悪化させる場合も多いようです。

低カルシウム血症
【内科】

指と唇のぴりぴりしたしびれ感
 
指先や唇にしびれ、ぴりぴりチクチクするような痛みを感じるのが特徴。
嚥下障害(飲み込みにくい状態)や息切れを起こしやすくなり喘鳴(ゼエゼエいう気管の音)が聞き取れます。
 
★重症になると硬直性のある痙攣を起こし、気道がふさがって死亡することも有る怖い病気です。
※「てんかん発作」と間違われることがあります。
副甲状腺のホルモン分泌の低下に伴い、血液中のカルシウムイオンが減少することによって起こります。
 
遺伝性のものと、後天的に頚部の手術や外傷によって副甲状腺が障害を受け発症する場合があります。腎臓機能の低下によっても同様の症状が現われることがあります。
 
低カルシウム血症は、慢性心不全や低血圧の原因にもなります。
ビタミンB1欠乏症
【内科】
むくみ、倦怠感がある手足のしびれ
 
手足のむくみを伴うしびれ感や筋力低下、唇など敏感な部位での皮膚感覚の異常、動悸、倦怠感が特徴です。
 
病状が進むにつれて眼球運動や歩行が困難になり、記憶力・認識力が低下して健忘症のような症状を現わします。
「脚気(かっけ)」が代表的な症例で、重症化する患者がアルコール依存症に多いことも知られています。
 
ビタミンB1の摂取不足が主な原因と考えられていますが、アルコール依存症での発症が多いことからビタミンB1を吸収を妨げる何らかの要因があると考えられています。
甲状腺機能低下症
(こうじょうせんきのうていかしょう)
【内科】
手足のしびれと倦怠感、声がしわがれる
 
手足のしびれ、眠気、だるさ、記憶力低下などの症状があり、暑くても汗をかかなくなります。
 
「むくみ」「体温低下」「脱毛」「体重増加」「便秘」も起こりやすく、一般に声がしわがれたようになる特徴があります。
甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって起こります。
 
甲状腺ホルモンの分泌が低下する原因としては、甲状腺の損傷や甲状腺ホルモンの分泌を促す刺激ホルモンの減少が考えられます。
 
★40歳代以降の女性が発病する例が多いため「更年期障害」と混同されやすい病気です。
パニック障害
【内科】
【精神科】
【心療内科】
強い不安感を伴う手足のしびれ
 
極度の不安の前に手足のしびれが出ることもあれば、不安感の後にしびれが出ることもあります。
手足がしびれ、命に関わる病気の症状かもしれないという不安から、さらに呼吸困難(過呼吸)などの全身症状を起こします。
 
※パニック障害の症状は多様で病状が一定しないため自己判断は難しいですが、強い不安感や恐怖感を伴うしびれの場合はパニック障害の可能性も考えられます。
検査によっても目立った異常が発見されないため、原因を特定することは困難です。
心因性のものであるという説と、脳内の分泌異常などの説がありますが、抗不安約・抗うつ薬の投与が有効であることしか解っていません。
 
一旦発症すると繰り返し発症するようになるのが一般的ですが、ストレスが少ない生活習慣などを心掛けることで改善された例もあります。
脳梗塞
(のうこうそく)
【脳神経外科】
【神経内科】
手や口のしびれ、言語障害など
 
手足の麻痺(しびれや無感覚)では片手、片足、片側手足、四肢など脳梗塞が出来た部位によって、症状の現れ方が違います。
 
顔面(片側顔面・両側顔面)の神経麻痺や、言語障害、失語症、健忘症、ものが2重に見えたり食物が飲み込みにくいなどの症状が起こることもあります。
手や口に感覚障害が現れた場合を「手口感覚症候群」と呼ぶ場合もあるようです。
脳内の血管が詰まることで脳細胞に血液が送られなくなり、その部分の脳細胞が壊死することによって起こります。
 
動脈硬化や高血圧、糖尿病、脂質異常、心房細動、心臓弁膜症、心筋梗塞などが原因で血栓ができて、剥がれた血栓が脳内の血管に詰まることで脳梗塞を引き起こします。
 
また脳内の極めて細い血管が加齢や高血圧のために詰まって小さな脳梗塞になることもあります。
うつ病(鬱病)
【精神科】
【神経科】
【心療内科】
高齢者の意欲減退を伴う手足のしびれ
 
特に老年期(65歳以上)の鬱病では身体機能の低下も原因して「しびれ」「ふらつき」「腰痛」などの症状が起こりやすくなります。
 
いつも気が滅入るように感じ、「だるい」「やる気が出ない」「何をしても面白くない」「眠れない」「食欲が無い」などの症状を複合的に発症。症状が重い場合は「死にたい」とさえ考えてしまうこともあります。
高齢者では配偶者の死などの精神的なダメージがきっかけで発症することもあります。また病気がきっかけの場合も多く、うつ病の治療に合わせて原因になっている病気の治療が必要な場合もあります。
 
★認知症との区別が重要で、うつ病を認知症と思ってしまったために対処が遅れ悲しい結果を招くこともあります。精神科を受診することを嫌がる場合は、家族だけで来院して医師に相談する方法が必要な場合もあります。

ほかにも、膠原病、脊髄腫瘍、異常免疫グロブリン血症、多発性硬化症、頚椎症など、さまざまな病気が考えられます。

上記は、手足のしびれにかんする病気の一例です。ほかにも命に関わる危険な病気がかくれている場合があります。脳梗塞・脳出血の前兆として現われる場合もありますので、しびれの症状が続く場合は自己判断しないで、早急に病院での専門医の診断が必要です。

また、一時的なしびれの場合も症状が繰り返し現われるなら、早めに病院での診察を受けるようにしてください。専門医の診断は素人判断の余計な心配を取り除くためにも有効なので、ストレスが軽減されることでしびれの症状緩和にも良い効果が期待できます。